2020年12月29日火曜日

免疫と予防接種の仕組みを簡単に解説します

免疫とは疫から免れると書きますが、疫とは病気のことで、文字通り病気から身を守るための仕組みを意味するのが免疫という言葉です。


病気に関わらないように体に備わったシステムのことですね。


免疫とかワクチンとかなんとなくわかっているとけどなんだかはっきりとはわからない、という方も多いと思いますので、一度簡単に整理していきましょう。


二種類の免疫システム


免疫は大きく分けて二つに分かれます。自然免疫と獲得免疫です。


自然免疫というのは体に入ってきた異物であればなんであっても攻撃する免疫システムです。


一方で獲得免疫というのは特定の病原体に対してのみ働く免疫システムです。大まかな流れとしてはまずは自然免疫が働いて、それから獲得免疫が働く、という風になります。


第一の免疫 自然免疫


体にとっての異物であるウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入するとまずは自然免疫が作用するわけですが、このときにに働くのが白血球です。


白血球はたくさんの種類に分かれていてマクロファージや好中球、樹状細胞、NK細胞と呼ばれるものがあります。自然免疫ではこれらの白血球が働いています。マクロファージや樹状細胞、好中球といった白血球は異物を見つけると、それをかたっぱしから食べていきます。


このとき食べるか食べないか?の判断基準は自分の細胞の一部かそうでないか、自分なのかそれ以外なのか?ということを判断材料として自分以外のものはなんでもかんでもかたっぱしから食べていくわけです。多くの病原体はこれで退治されてしまいます。

しかしここを潜り抜ける賢い病原体もいます。その代表的なものがウイルスです。


ウイルスはとても小さくてそれ単体では生きていくことができません。そこで細胞に寄生して生きていくわけです。

細胞の中に侵入したウイルスは細胞の遺伝情報を自分のものに書き換えてしまいます。そうすることで体内の細胞を乗っとるわけですね。



乗っ取られた細胞は一見すると自分自身に見えるので、マクロファージや好中球などは食べてくれません。自分か自分じゃないかの基準で食べるかどうかを区別しているので、中にウイルスが潜んでいても見た目が自分だと食べてくれないわけです。こうしてウイルスは体内で増殖していこうとするわけです。


しかし体には中に潜んだウイルスを見つけ出して攻撃する仕組みも備わっています。それを担うのがNK細胞と呼ばれる白血球です。NK細胞は見た目が自分である細胞でも、中に潜んだウイルスを見つけ出すことができます。NK細胞はウイルスに感染した細胞を見つけると殺してしまうのです。こうしてウイルスの増殖を抑えていく仕組みも備わっています。


ここまで整理しますと自分かそれ以外か、という基準で体内に侵入してきた異物を攻撃するのが白血球です。白血球にはいろいろな種類があり、マクロファージ、樹状細胞、好中球と呼ばれるものは異物をひたすら食べます。そしてNK細胞は自分の細胞の中に隠れたウイルスを見つけ出し、感染した細胞を殺してウイルスの増殖を抑えます。これが体内で最初に起こる免疫反応である自然免疫の仕組みです。


第二の免疫 獲得免疫


続いて獲得免疫です。

自然免疫とは本来自然に体に備わっている免疫システムのことを意味しますが、この獲得免疫は後天的に手に入れた免疫システムのことを意味します。


自然免疫で働いたマクロファージや樹状細胞という白血球は、異物をひたすら食べるわけですが、実は食べて終わりではなく、食べたものの残骸を提示する仕組みが備わっています。さらし首みたいな感じでしょうか。このさらされた残骸を分析してその情報を読み取って、これに対する有効な対処法を作り出してから働くのが獲得免疫です。なのでこれはさらされた残骸のみにしか作用しない仕組みです。後天的に獲得された免疫という意味で獲得免疫と呼ばれるわけです。


獲得免疫では大きく分けて二つの仕組みが働きます。まずは先ほどのNK細胞のように細胞内に潜んだウイルスを見つけ出して殺してく仕組みです。このときに働くのがキラーT細胞を呼ばれる細胞です。これはNK細胞よりもかなり強力な作用を持ちます。


もう一つが抗体を作って病原体の働きを止めてしまうという働きです。これはB細胞という細胞が働くのですが、病原体の情報を分析して作り出した抗体という物体を病原体に結合させることでその働きを封じ込めてしまう作用です。抗体にくっつかれると病原体は働けなくなるわけですね。


自然免疫より獲得免疫の方が強力な働きをします。

ただ獲得免疫は作用し出すまで時間がかかるのが難点です。病原体を分析してその情報をもとに対処法を練って、としていると数日はかかるわけで、その間に病原体が体に広がらないように自然免疫で抑えているわけです。その間に病原体の情報を分析して獲得免疫の準備をしているわけですね。


それと、獲得免疫には一度戦った病原体の情報を記憶できる、という特徴もあります。期間は病原体によってそれぞれですが、少なくともしばらくの間は一度戦った病原体の情報を記憶しているので次に同じ病原体が侵入してきた場合、最初から獲得免疫の仕組みが働き、強力な攻撃を加えることができます。


予防接種が作用するメカニズム

この仕組みを利用したのがワクチンです。毒性を弱めたり感染力を失わせた病原体をワクチンとよびますが、これを体内に投与することを予防接種と言います。このように体内に弱めた病原体を意図的に投与してB細胞に抗体を作らせるわけです。


そうすると実際にその病原体にかかったときには既に抗体があるので、ゼロから抗体を作る必要がないわけです。通常のように時間をかけずにすぐさま抗体で攻撃することができるので、このようにして病原体を退治するわけですね。


ちなみに自然免疫が強い人は獲得免疫に至るまでもなく病原体を退治することができますが、この場合は病気にかかっても抗体ができていないということもあるようです。抗体は病原体によってどのくらい持続するのかはまちまちのようで一生続くものもあれば、割と短いものもあるようです。


免疫力を高めるとは、こうした仕組みがしっかりと働ける状態にしておくことです。そのためにはいろいろな手段がありますが、基本的にはしっかり栄養をとって、休めて、運動してというごく当たり前のことが一番大切になってきますので、しっかりと心がけて過ごしていきたいですね。


今回は免疫の仕組みの要点のみを簡単にまとめてみました。参考にしてみてください。


古田大祐



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